レインマン感想みたいなもの

※このページには、レインマンにおける多大なネタばれや、管理人の想像による補完が含まれています。


監督:バリー・レヴィンソン 
原作・脚本:バリー・モロー

キャスト
チャーリー:トム・クルーズ 
レイモンド:ダスティン・ホムマン


レインマンって大体こんな話

事業が失敗して破産寸前のチャーリーは、死んだ父の遺産が存在さえ知らなかった兄レイモンドに渡ると知って愕然とする。
しかしレイモンドは自閉症であり、遺産の管理は病院の院長が握っていた。
チャーリーは遺産の三百万ドルを得るために、レイモンドの保護権を主張して、院長を相手に裁判を起こすことを決意する。
チャーリーはレイモンドを人質に取る形で病院から連れ出して、仕事のためにロサンゼルスへ向うが、レイモンドが飛行機を怖がったため、車で向うことに。
自閉症の兄レイモンドの態度に苛立ちを覚えるチャーリーだったが、旅の途中で立ち寄ったモーテルで、幼い頃に心の安らぎになっていた『レインマン』という空想上のヒーローの正体がレイモンドだったと知る。
旅の果てにチャーリーはレイモンドと心を通わせ、遺産を得ることよりも、純粋にレイモンドと一緒にいたいと思うようになるが、裁判では勝ち目がないとわかる。
病院へ戻ることになったレイモンドに、チャーリーは再会を誓って別れた。


奇抜な設定なんかはないし、ほとんど旅をしているだけなんだけど、細部がすごく丁寧に作られているのでそれだけで面白い。極端なことを言えばチャーリーとレイモンドが車で走ってるだけで面白い。自閉症のレイモンドが起こす問題行動の数々と、それに対するチャーリーの反応が秀逸。レイモンドの天才的な能力(サヴァン症候群?)をギャンブルに利用するチャーリーは、奇麗事だけじゃない人間の本質を垣間見ることが出来るようで、金にも執着するし兄弟愛も持っているという人間臭さの現れのようでよかった。単純に記号化されたキャラクター達がご都合主義的に物語を動かしていくという印象は全くなくて、生きた人間の物語だと感じられた。レイモンド役のダスティン・ホフマンの演技は、本当に自閉症なんじゃないかと思えるほどすさまじくて、映画における俳優の重要性のようなものを始めて感じられた。ていうかもうすげえ面白かった。全然似てない兄弟が心を通わせる描写がまたよかった。チャーリーのちょっとした悪戯に対して、「チャーリーがふざけた」とレイモンドが答えて笑いあうシーンは、時間にして一分にも満たないし、派手な演出も何もないのに、心にすっとくるものがあった。


大雑把な登場人物紹介

・チャーリー:自由奔放な弟。幼い頃に母を亡くし、不仲な父の元で育つが、やがて家出して事業家になる。兄の存在は知らなかった。

・レイモンド:自閉症の兄。チャーリーとはかなり年が離れている。18の頃から病院で暮らしている。天才的な計算能力や暗記能力を持つが、応用が利かない。習慣通りの生活をおくることで精神を安定させている。

・レインマン:幼い頃のチャーリーに歌を歌ってくれた空想上のヒーロー。その正体はチャーリーの兄レイモンドであり、『レインマン』は『レイモンド』がなまったもの。


レインマンを簡単なプロットにしてみよう

1、チャーリーは父が死んだと知らされて実家に帰るが、遺産のほとんどが存在さえ知らなかった自閉症の兄チャーリーに渡ると知って驚愕する。

2、チャーリーは父の遺産を得るためにレイモンドを誘拐し、仕事のために車でロサンゼルスへ向うが、自閉症のチャーリーに苛立ちを覚える。

3、チャーリーが幼い頃に信じていたヒーロー『レインマン』の正体がレイモンドだとわかり、チャーリーはレイモンドと一緒にいたいと思うようになる。

4、チャーリーは旅の果てにレイモンドと心を通わせるが、裁判では勝ち目がないことがわかり、再開を誓ってレイモンドと別れる。


短っ!こうして見ると起承転結がはっきりした作品だとわかる。とにかくもうレインマンはすげえ面白かった。心に残る名作だ。まいったよ、レイ。

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